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公正証書遺言書を作ってみた|手順とメリット・デメリットを解説します

最近は終活が広まってきたことで遺言書を作ろうと考える人が増えてきました。

筆者は今から3年前の49歳のときに「公正証書遺言書」を作成しています。

その経験から、公正証書遺言書を作成するための手続きや費用、良かった点・悪かった点をお伝えします。

公正証書遺言とは?

公正証書遺言とは、公証人が作成した遺言書を公証役場で2人以上の証人の立会いのもと、遺言者が内容を確認し、署名・押印したものです。

原本は公証役場に保管され、原本の写しである正本と謄本を遺言者が管理します。

遺言には、公正証書遺言書以外にも自筆証書遺言書といって自筆で書かれた遺言書もあります。

しかし、専門家ではないため自筆証書遺言の成立を満たしておらず、無効となってしまうなどのトラブルが懸念されます。

また、自宅で遺言書を保管している場合には、紛失の心配がありましたが、2020年7月より法務局で自筆証書遺言を手数料3,900円で保管する制度が始まったことで、紛失のリスクに備えることができるようになりました。

公正証書遺言は自分で作れるの?

自分で作ることは可能です。

しかし、ひとりで遺言書の内容を決めたり、煩雑な手続きをすべて行うことはかなり難しいです。そのため、費用はかかってしまいますが、専門家に相談しながら作ることをおすすめします。

ちなみに筆者は遺言書の作り方がまったく分からなかったため、迷うことなく行政書士に依頼しました。

公正証書遺言作成の相談先は?

弁護士、司法書士、行政書士が相談に乗ってくれます。費用は、一般的には弁護士が高く行政書士が安い傾向にあります。

公正証書遺言の作り方

1:遺言書の内容を考える

誰に何を残すのかを考えます。

筆者の場合は、独身で子供がいないのですが、ペットを飼っているため、万が一の場合にペットの面倒を見てくれると約束している友人に全財産を残したいと考え、遺言書を残すことにしました。

この時、行政書士より、2つのアドバイスをいただきました。

・残された人が迷わないように、どこにどのような財産があるかを明記する

(例)楽天証券株式会社(お客様コードxxxxxx)預託などしている株式、有価証券、投資信託、債権を含む一切の金融資産

ただし、金額や預け先が変わるたびに遺言書の変更は手間と費用がかかるため、遺言書には「一切の財産を包括して寄贈する」と記載し、但し書きとして保有財産も記載しました。

・友人を相続人にする場合は、年齢が近いこともあり同じくらいのタイミングで亡くなることが想定されるため、相続人を複数人立てるべき

そのため、もう一人の友人とその子供にも相続人になってもらいました。

2:必要書類を準備する

・印鑑登録証明書(発効後3か月以内)

・遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本

・遺言者の戸籍謄本

・財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票(法人の場合には、その法人の登記事項証明書(登記簿謄本))

・不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)と固定資産税納税通知書または固定資産評価証明書

3:公証人と事前の打ち合わせを行う

筆者は行政書士にご対応いただいたため事前打ち合わせを行っていませんが、自分で行う場合には、公証役場に電話かメールもしくは予約を取ったうえで訪問し、公証人に相談・依頼を行ないます。このときに、公証人に相続の内容と必要書類を提出します。

4:公証役場で遺言書を作成する

事前打ち合わせにより公証人が作成した遺言書を公証役場で2人以上の証人の立会いのもと確認を行ない署名・押印します。その際に持参するものは次のとおりです。

・実印

・印鑑登録証明書(発効後3か月以内) 1通

・費用1 公証人手数料(*1)

・費用2 証人2名の謝金(*2)

費用については、お釣りの無いようにそれぞれ封筒に入れてお渡しします。筆者は当日に費用の用意をしたため、両替に苦労したため、早めに準備することをおすすめします。

*1 公証人手数料は遺言の目的である財産に応じ、定められています。

目的の価額手数料
100万円以下5,000円
100万円を超え200万円以下7,000円
200万円を超え500万円以下11,000円
500万円を超え1,000万円以下17,000円
1,000万円を超え3,00万円以下23,000円
3,000万円を超え5,000万円以下29,000円
5,000万円を超え1億円以下43,000円
1億円を超え3億円以下4万3,000円に超過額5,000万円までごとに1万3,000円を加算した額
3億円を超え10億円以下9万5,000円に超過額5,000万円までごとに1万1,000円を加算した額
10億円を超える場合23万9,000円に超過額5,000万円までごとに8,000円を加算した額

*2 筆者は一人6,000円の合計12,000円でしたが、一般的には一人10,000円程度のところが多いようです。

公正証書遺言書のメリットとデメリット

メリット

・紛失の心配がない

・法律の専門家が書いているため無効になる心配がない

デメリット

・費用がかかる

・手間がかかる

筆者の場合には、費用は25万円くらい、手間については行政書士事務所へ2回、公証人役場に1回と計3回出かける必要がありました。

まとめ

公正証書遺言書は法律知識を持っている公証人が書いた法律的に有効な証書です。

作成には費用と手間がかかりますが、その分、紛失や無効になる心配のない安心感があることが特徴です。

ライター名:ちゃあ

  • この記事を書いた人

マネーリテラシー編集部

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